「通信制高校から大学進学を目指せるの?」
「全日制よりも受験で不利になるんじゃない?」
「通信制高校から大学に進学するにはどうしたらいいの?」
こんなお悩みにお答えしていきます。
昔とは違い多様性が求められる社会のなか、通信制高校に通う生徒は毎年増えています。
しかし、通信制高校は「全日制高校に通えなくなった生徒が行く高校」という偏見や誤解がいまだにあるのが事実です。
そんな世間のネガティブなイメージが影響して、通信制高校からの大学進学に不安を抱いている人も少なくないのではないでしょうか。
結論からいうと、通信制高校から大学進学を目指すことは十分可能です!むしろ、通信制高校のメリットを活かすことで全日制高校の生徒より大学進学は有利ともいえます。
この記事では、通信制高校を理解している元職員の私が、以下のことを解説します。
- 通信制高校から大学進学を目指せる理由
- 大学進学のための勉強方法
- 通信制高校から大学進学するためのコツ
ぜひこの記事を最後まで読んで、通信制高校から大学進学を目指してくださいね!
そもそも通信制高校とは?しくみを解説!
通信制高校は、以下の3つをクリアすることで単位を修得していきます。
- レポート(問題集)の提出
- スクーリングに出席
- 単位認定試験に合格
毎日通学する必要はなく、自分のペースで勉強を進められます。
また、通信制高校は「単位制」を採用しているため留年にはなりません。たとえば1年次に修得できなかった単位があったとしても、2年次以降に修得できれば同級生と同じタイミングで卒業ができます。
スクーリングって何?
学校やスクーリング会場に登校して、先生から直接授業を受けることだよ!学校によっては、宿泊型のスクーリングを実施しているところも…!
通信制高校からの大学進学率
ここでは、通信制高校からどのくらいの生徒が大学に進学するのかを見ていきましょう。
文部科学省の令和2年度「学校基本調査」では、以下のデータが発表されました。
学校の種類 | 大学への進学率 | 専修学校への進学率 |
通信制高校 | 17.6% | 23.3% |
全日制高校 | 56.5% | 16.9% |
数字だけを見ると、全日制高校と比べて通信制高校の大学進学率は大幅に低いことがわかります。
しかし、通信制高校にはスポーツ選手や芸能活動をおこなっている生徒など、さまざまな立場の人がいます。初めから大学進学を目標としていない生徒も数多くいることを、頭に入れておかなければなりません。
通信制高校から大学進学が難しいといわれる理由
通信制高校は「高校卒業資格取得」を目的としており、大学受験のレベルに対応した授業内容ではありません。課題のレポートも教科書を読めば簡単に解ける内容です。そのため、通信制高校に通っているだけでは大学進学が難しいのが現実です。
そもそも、通信制高校には偏差値がありません。書類選考や面接で合否を決定し、筆記試験がない学校がほとんどです。入学時点で生徒の学力に差があるのも、通信制高校が大学レベルの授業に対応できない要因のひとつといえるでしょう。
通信制高校から大学進学を目指せる3つの理由
ここでは、通信制高校から大学進学を目指せる理由を解説します。
- 受験勉強に充てられる時間が増える
- 指定校推薦をもらえる通信制高校がある
- 受験対策に特化した通信制高校・サポート校がある
それでは詳しく見ていきましょう。
1.受験勉強に充てられる時間が増える
通信制高校最大のメリットは、全日制高校に比べて「時間的余裕」が圧倒的に多いことです。スクーリングと単位認定試験以外、基本的に学校に登校する必要はありません。課題(レポート)を期限どおりに学校に提出すれば、後の時間は自由に使えます。
そう考えると、毎日通学の必要がある全日制高校の生徒に比べ、通信制高校の生徒は受験勉強に充てられる時間が多くなることがわかります。
大学進学という明確な目標がある人にとって、通信制高校のしくみは最適といえるでしょう。
2.指定校推薦をもらえる通信制高校がある
現在、ほとんどの通信制高校で指定校推薦をもらえます。指定校をもらっている大学や推薦枠は高校によって違うため、指定校推薦での受験を狙っている場合は事前に学校に確認しておくといいでしょう。
指定校推薦をもらうには、以下のような点で校長から推薦されるような姿勢や成績を取っておく必要があります。
- レポートの提出状況、点数
- スクーリングの授業態度
- 単位認定試験の点数
通信制高校のレポートや試験の内容は比較的簡単なため、よほどのミスがない限り点数は取りやすいです。校内選考が通れば、大学に落ちることはまずないと考えてよいでしょう。
3.受験対策に特化した通信制高校・サポート校がある
近年、受験対策に特化し、大学進学の実績を伸ばしている通信制高校が増えています。通信制高校で進学サポートを受けたい場合は、受験対策に特化している通信制高校やサポート校を選ぶとよいでしょう。
その際、学校選びはとても重要です。せっかく入った通信制高校が自分に合わないと、最終的に辞めてしまう可能性はゼロではありません。そうなると受験勉強どころではなくなってしまいます。
ホームページだけでは理解できない場合も多いので、資料請求をして、実際に学校に見学に行くようにしましょう。ひとつの学校だけではなく、いくつもの学校を比べることが大切です。
サポート校って何?
課題のレポートなど、日頃の学習をサポートしてくれる施設だよ!高等学校ではないため、サポート校に通っただけでは「高校卒業資格」は取れません。通信制高校とセットで入る必要があります!サポート校は「塾」のような位置づけだと考えるとわかりやすいよ!
通信制高校から大学進学するための勉強方法
ここでは、通信制高校から大学進学するための勉強法を解説します。
- 通信制高校やサポート校の進学コースに入る
- 塾に通う
- 参考書やオンライン学習サービスを活用する
それでは詳しく見ていきましょう。
1.通信制高校やサポート校の進学コースに入る
進学コースがある通信制高校に入学して、受験勉強を進める方法です。
通学日数は週1〜週5の中で自由に決められる学校がほとんどで、生徒一人ひとりに合ったカリキュラムが組まれます。
サポートの仕方や進路相談の充実度は学校によって違うため、色々な学校をよく調べてから入学を決めるのがおすすめです。一般入試の対策はもちろん、推薦入試に必要な小論文や面接対策をおこなっている学校もあります。
自分に合った通信制高校に通うことが重要ですので、学校選びは手間暇をかけ、しっかりおこなうようにしましょう。
2.塾に通う
大学受験をする生徒の中でも多いのが、通信制高校とは別に塾に通う方法です。
塾では、志望校の出題傾向や効率のいい勉強法を直に学べ、質問もすぐにできる環境が用意されています。結局、大学受験に詳しい先生から直接学び、それを真似することが成功の近道といえます。
通信制高校の生徒が塾に通う場合は、個別指導のスタイルを選ぶことがおすすめです。個別指導塾は生徒一人ひとりに合ったカリキュラムを組んでくれ、自由が効くのがメリットです。
なかには体験授業を受けられる塾もあるので、自分に合ったところを探してみるとよいでしょう。
3.参考書やオンライン学習サービスを活用する
受験対策の参考書や志望校の赤本、オンライン学習サービスを活用し、独学で勉強する方法もあります。
最初は、受験に成功した先輩のおすすめ参考書をSNSなどで調べてみましょう。参考書の数は膨大なため、ある程度目星をつけておくと迷わずにすみます。勉強を進めていき、弱点が掴めてきたら自分に合った参考書を選ぶとよいでしょう。
また、スタディサプリなどのオンライン学習サービスを活用するのもひとつの手です。その際、視聴しただけで満足せず、アウトプットをセットでおこなうことを意識しましょう。
独学のメリットは、受験にかかる費用を安く抑えられることです。かなりの努力が必要になりますが、家庭の事情で受験にあまりお金をかけられないという人は、独学も視野に入れてみましょう。
通信制高校から大学進学するためのコツ
ここでは、通信制高校から大学進学するためのコツを解説します。
- 自己管理をしっかりする
- モチベーションが維持できる工夫をする
- 自分に合った方法で勉強する
それでは詳しく見ていきましょう。
1.自己管理をしっかりする
通信制高校に入学し、一番求められることは「自己管理能力」です。通信制高校最大のメリットでもある「時間的余裕」は、気をつけていないとデメリットにもなり得ます。時間がありすぎるとかえって生活リズムが崩れ、勉強に手がつけられなくなってしまうからです。
受験勉強はおろか、課題のレポートを期限どおりに提出できないとなると、卒業も延期になってしまいます。
そうならないためにも、スケジュールをあらかじめ決めるなどして、自己管理を徹底するようにしましょう。
2.モチベーションが維持できる工夫をする
通信制高校での受験勉強は、モチベーションの維持が大変です。そもそも大学進学を目指す人が周りに少なく、登校日数も限られているため、励まし合える友人ができにくいのが現実です。
そのため、自らモチベーションを上げる工夫をする必要があるでしょう。
今の時代は、SNSで同じ目標に向かって頑張っている仲間を簡単に見つけられます。SNSに時間を取られすぎることはよくないですが、程よく活用し、モチベーションの維持に役立てるとよいでしょう。
3.自分に合った方法で勉強する
自分に合った方法で勉強することは、受験勉強においてとても大切なことです。そのためには、模試などを活用し、自分の現在の学力を知るところから始める必要があります。
思っていたよりも志望校に手が届きそうだという場合は独学を選択してもよいですし、厳しい場合は塾に行くことを検討する必要があります。
人の性格がそれぞれ違うように、勉強方法も人それぞれ向き不向きがあります。まずは色々な勉強方法を試し、試行錯誤してみましょう。時間はかかるかもしれませんが、通信制高校のメリットを最大限に活かすチャンスです。
まとめ:通信制高校から大学進学は目指せる!
通信制高校のメリットを最大限に活用することで、大学進学はもとより難関大学を目指すことも十分可能です。
ぜひこの記事を参考にして、通信制高校から大学に進学する夢を叶えてくださいね!